【メディア掲載】化学工業日報 抗菌・抗ウイルス対策(2022年6月24日号)
アークサーダは2021年10月の新体制発足以来、米トロイ、米エンビロテックを相次いで統合し、バイオサイド分野を強化している。すでにトロイとは相乗効果発揮に向けて、販売戦略の構築を開始している。
日本では、アークサーダジャパンが主力事業のバイオサイドを含むマイクロビアル コントロール ソリューションズ(MCS)分野において、工業製品向けの「マテリアルプロテクション」部門と、一般消費者・業務用製品向けの「ハイジーン・ホーム&パーソナルケア」部門で事業を展開している。
工業用途では、強みとするジンクピリジオンは多様なアプリケーションで展開しており、繊維やプラスチックの抗菌剤として採用が広がっている。
また、3-ヨード-プロピルブチルカーバメイト(IPBC)を強みとするトロイとの統合により、製品ポートフォリオの拡充が期待できる。すでに塗料向けではカプセル化技術など新たな開発にも乗り出している。またトロイが持つタイの拠点では、生産に加え、評価や試験を24時間体制で実施していることから生産・技術サービス提供においても相乗効果が期待できる。
一般用や業務用製品では、病院などで使用されるウェットティッシュに付与されているカチオン系の有機系抗菌剤が抗ウイルス対策として実績を重ねている。さらに衣料用洗剤でも抗ウイルス機能を付加するニーズに貢献すべく、顧客にベストな処方を提案している。
バイオサイド分野では、安全かつ環境に配慮した製品が求められるなか、無機系抗ウイルス剤として高活性化過酸水素系の「NUGEN(ニュージェン)」の引き合いが強い。生分解性が高く安全性や安定性にも優れることから、今後の注力製品に位置づけている。
(化学工業日報、2022年6月24日号)