製品ポートフォリオ拡充

 アークサーダは、バイオサイド分野において製品ポートフォリオの多様性と国内外の規制対応力によって競争力を高めている。とくに、米トロイの合併により製品ポートフォリオが拡充され、化粧品や日用品業界で需要の高い環境配慮製品を提供するとともに、工業用途では国内市場向けの新たな開発も進めている。

 日本では、アークサーダジャパンがバイオサイド分野のマイクロビアルコントロール ソリューションズ(MCS)事業を展開している。一般消費者・業務用製品向けの「ハイジーン・ホーム&パーソナルケア」部門と、工業製品向けの「マテリアルプロテクション」部門がある。

 日用品や化粧品分野で広く使用されるウェットワイプには、抗菌剤としてカチオン系有機系抗菌剤が使用される傾向があり、抗ウイルス対策としても実績を重ねてきた。最近では、環境に配慮した製品への需要が高まっており、アークサーダは米トロイの買収により、防腐剤フリーのコンセプトや天然成分、防腐剤の機能を高めるブースターなど、機能性や環境対応に訴求する幅広いタイプのウェットワイプ向けの薬剤を揃えた。

 また、米国では天然由来のクエン酸をベースとした除菌シートの処方品を展開しており、現在は日本やアジア市場への展開の可能性を探っている。

 工業用途では、長年の実績を誇るジンクピリジオンは原体の供給だけでなく、フォーミュレーション提案を行っており、プラスチックの抗菌剤や塗料向けの防カビ剤として採用が広がっている。

IPBCのリーディングサプライヤーであった米トロイの買収によって、東南アジアで乾燥塗膜向け防カビ・防藻剤としてポピュラーなIPBCやDCMUなどのカプセル化技術を取得。

溶出量のコントロールを可能とし長期的な効果と高い安全性の付与を実現、国内の外壁塗料向けに展開していく。

(化学工業日報 2023年6月23日号)