「日本発」製品創出を継続

 アークサーダは顧客を中心に据えた戦略と事業活動を徹底し、バイオサイドをはじめとする「マイクロビアル コントロール ソリューションズ(MCS)」と、コンポジットマテリアル(CM)、パフォーマンス イングリディエンツ(PIC)や開発・製造受託(CDMO)を手掛ける「スペシャリティ プロダクツ ソリューションズ(SPS)」の両主力事業を拡大する。

 顧客中心の戦略と事業活動を確実に推進するため、予防や保護を意味する「PRESERVATION(プリザベーション)」をキーワードに事業を展開する。防腐などに効能・効果を発揮するバイオサイド、構造材やエレクトロニクス分野に用いられることによって社会基盤を支える、CMの代表的な製品である耐熱性と誘電特性に優れたシアネートエステル樹脂、環境負荷を低減するプロセスを用いたCDMOなどのPRESERVATIONを体現する製品や技術を通して、この領域におけるリーディングカンパニーの地位を目指している。

 日本法人のアークサーダジャパンの事業活動は、こうした存在に躍進していくために欠くことができない。成長をとくに期待する製品の一つは、衣料用洗剤や柔軟剤に抗ウイルス機能を付加し、部屋干しで臭わないようにするバイオサイド処方。日本で積み上げた知見は、韓国などにおける事業の拡大にも貢献している。

 病院などで使用されるウェットワイプに付与されているカチオン系有機系抗菌剤も抗ウイルス対策として実績を重ねており、今後も成長が見込まれる。さら日本で開発した、亜酸化銅の含有量の削減につながる船底塗料用添加剤「Umigard」は他国で採用が決まった。アークサーダジャパンは今後も「日本発」の製品の創出に向けた取り組みを継続していく。

アークサーダはロンザ・スペシャリティ・イングリディエンツ(LSI)の事業を引き継いで2021年10月21日に発足。アークサーダジャパンは同年11月1日から事業を展開している。

(化学工業日報 2022年12月19日号)